御影ルートのお話。晃夜視点です。
ネタばれ含むので要注意。
続きからどうぞ!
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御影 聖
「クリスマス特集……」
普段なら、にらめっこしてるのは参考書や問題集だろうに
今、御影が眺めているのは雑誌だ。
片桐 晃夜
「……」
御影 聖
「……」
片桐 晃夜
「……あのさ、なーんかおまえがこうやって
必死に雑誌読んでたりするのも珍しいよな~。」
御影 聖
「はあ?」
片桐 晃夜
「これでいて彼女の前では必死にできる男を演じてるから
また面白いんだけど……」
御影 聖
「ひょっとして、僕はバカにされてたりする?」
片桐 晃夜
「いや、何気に影の努力家だよなって話。」
この影の努力家は可愛い彼女のためにデートプランを考えているようだ。
付き合って初めてのクリスマス!
そりゃ、気合も入るんだろう。
何せ、そのためにこっそりバイトを始めたくらいだ。
このボンボンで勉強一筋でバイトなんて
したことなかった御影が!
金には困ってないはずだが、どうしても
自分で稼いだ金で彼女にプレゼントをしたかったらしい。
そのせいで学校、生徒会、塾、バイトと
日々忙しそうにしている。
しかもどれもそつなくこなしているという。
学校一の優等生の名は伊達じゃない。
御影 聖
「……」
片桐 晃夜
「まあかっこつけたいのもわかるけど、そういうところ見せれば
ギャップあっていいかもしれないのになー」
片桐 晃夜
「『え?御影先輩ってば、
私のためにこんな下調べしてくれてたの?胸キュン!!』みたいな」
御影 聖
「悟られないようにするのが男だろ」
片桐 晃夜
「俺だったら、彼女の前では悟られないように演じておいて
後々、実は努力してたんだよーってわかるように仕向ける!
もちろんそれもばれないように!」
御影 聖
「相変わらず、策士って言うか、なんて言うか……」
片桐 晃夜
「恋愛は駆け引きだよ、御影。」
片桐 晃夜
「御影は真面目だからそういうこと
できないだろうけどな」
頭のいいやつのすごいところは、努力を努力と思っていないところだ。
きっと御影にとってこれは、努力ではなく
当たり前のことなんだろう。
こういうところ、ちょっと尊敬する。
俺には無理、絶対。
そこが欠点であり、美徳でもあるんだろうけど。
器用なようで不器用だ。
御影 聖
「あ、間違っても彼女に僕がバイトしてること……」
片桐 晃夜
「わかってる、言わないって」
御影 聖
「悪いけど、しばらく口裏合わせしてくれると助かる」
片桐 晃夜
「へいへい」
ここまで御影が夢中になるなんて、一体何をしたんだろうな
あの子……。
そういった意味では、すごく興味が湧く。
まぁ、人のものには手を出さない主義だから
何にもしないけど……。
片桐 晃夜
「……クリスマス、楽しんでもらえるといいな」
御影 聖
「ああ」
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『追憶の彼方~過去と未来の約束~』での裏の小話。
なのにクリスマスはああなってしまう可哀想な御影(笑)
(2015.7.11 再掲載)
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